美術を始めるキッカケは?
幼いころからものを造ることが好きで、将来はデザイナーになりたいと考えていました。私の高校には美術の授業がなくて美術を勉強する機会がなかったので、高2から港北美術学院の基礎科に通い始めました。高校3年生になり受験科に移ってからも、美術の楽しさを忘れずに頑張ることができたのは基礎科で制作していたおかげだと思っています。
1年間を振り返って
高3の4月に足を骨折して、皆より2ヶ月も遅れての受験科スタートでした。そんな不安な状況でしたが、アトリエは休まず、講評までに必ず課題を仕上げるということを決めていました。それを実践できたのは、やはり美術が好き!という気持ちが強かったことと、自分はデザイナーになる!という夢を持ち続けていたからです。制作以外では、好きなインテリア雑誌を見てそこからインスピレーションを受けるなどして、モチベーションを高く保つようにしていました。また、常に支えになってくれている家族や友人、講師の方々への感謝の気持ちを忘れないことが大切だと思います。
志望校はどのように決めましたか?
1・2年次の基礎的な部分は大体どの大学も似ているため、3・4年次の専門の部分をよく見て決めました。自分のやりたい事がやれる科がある大学はどの大学か、設備が整っているか等、大学の案内や過去の資料等を参考にしました。
アトリエでの制作に大切なことは?
課題は「完成・提出」が第一です。私は未完成の課題は必ず自分の満足いくまで仕上げて講師に見てもらいました。何事も楽しく取り組むことが成長への道しるべです。ネガティブになる事はあっても、その状態を変える事が出来るのは自分だと信じ、周りを巻き込んでも突き進みましょう。アトリエの友人達から受けた刺激や競争心もとても大切だと思います。
高校と学院との両立はどうでしたか。
休まないことを基本にしていましたので、高校生活との両立はやはり大変でした。月曜日から土曜日まで高校へ通って、夕方からはアトリエという、休む間もない毎日でした。制作において気を付けていた事は、日々試験当日にむけて自信につながる努力をすること。また、時には休息をとり体調を壊さないことが第一だと思います。
どんな気持ちで試験に臨みましたか。
アトリエで一年間やってきたことが、今日試せると思いながら試験に臨みました。また、試験直前は、家で自主的に描いたデッサンを講師の人に見てもらい、注意されたことをしっかりノートに書きとめて、もう一度やってみたりしていました。
志望大学、科はどうやって決めましたか?大学生活は?
歴史や伝統的なモノ-着物や実際に使えるモノに興味があり自然に芸大工芸科を志望するようになりました。受験時に比べて、大学では自分から動かないと時間だけが容赦なく過ぎていくという違いはありますが、毎日忙しく充実した生活を送っています。
制作をふりかえって
予備校での毎日の制作はもちろんのこと、それ以外にも自宅で制作したりしていました。例えば、家でも出来る静物デッサンや着彩あるいは月毎に決め事をつくり「毎日花やクロッキーをする」といったことでした。自分でモチーフを組むことは、空間の意識や組み手の意図について考えるのに役立ったと思います。
制作に対する姿勢を教えて下さい
夏の終わりまではただひたすら描くだけで、本当に自分に実力がついているのか不安でしたが、夏明けのコンクールで2位を取ったことは自信に繋がったし、今までやって来たことの励みになりました。その後は受験直前まで講師に言われた事や自分で気付いた所を意識して考えながら作品に活かすよう心掛けました。
合格への秘訣は?
休まない、遅刻しないことはもちろんですが、30分前にはアトリエに着くようにしていました。場所取りをすることでいい構図がわかるようになり、いい構図だから描き甲斐がありました。早めに席に着くことで鉛筆を削りながら集中力を高めて制作でき、より受験本番に近い緊張感で描けたことが合格に繋がったと思います。
どのように制作に取り組みましたか
講評のとき受けたアドバイスは、出来るだけメモをとりました。また、課題に取り組むときは、自分の力で考えることを心がけていました。自分で考え講評に臨むことで、気づかなかった部分が良くわかり、記憶にも深く残ったのだと思います。
受験生に対してのメッセージ
例えば、夏までには単語だけでも納得できるまで勉強するという様に、早いうちから学科に取り組み、後半まで引きずらないようにしたほうが良いと思います。私は後半まで学科に対する不安を抱えていた為、集中力のなさが作品まで影響し、精神的に辛かったです。制作においては、常に上位を目指し頑張ってください。また、時には気分転換も大事です。
あなたのスランプ脱出方法を教えてください。
私はとことんポジティブな思考で、普段は問題点を超えることが出来たら良い絵を描けると思って制作していました。でも、それでも駄目な時は、講師の方に相談することで気分がすっきりして道が開けることもありました。また、講評会でアドバイスとか叱咤激励を受けた際、どうしても納得がいかないことがあった時は、本当に理解できるまで質問したり、何故そうなのかを説明してもらいました。
新高3生の皆さんへのメッセージ
受験は試験当日だけが本番ではなく、毎日が本番だと思って制作に取り組んで下さい。逃げないでやり遂げていけば、一年経ったときに、一回りも二回りも成長していると思います。前向きな思考と判断力、自分が今何をすべきかを考えて道を選ばないこと。それからバランス感覚。学科と実技をバランス良く勉強すること。絵を描くときにも細部ばっかりではなく、全体を落ち着いて、離れてみたりするのも大切だと思います。
この一年間の私について
学院では課題が出るたび、今度こそ良い絵を描くぞという気持ちで、出来るだけ一日一日全力を尽くすよう心がけていました。仕上がらなかった作品を自宅に持ち帰り、徹夜でやるような事もなく、高校との両立で困るような事はありませんでした。入試前、自宅では講師から指摘された点を思い出しながら苦手だった手と自画像のデッサンに取り組み、形態の捉え方や鉛筆の使い方等を工夫したのですが、そのことが次の自画像課題の講評で評価され、上達する為には、自覚的な努力をするしかないと改めて実感しました。私にとって、何があってもあきらめない、挫けない、弱音を吐かないを実行し、自分の作品に自信を持てるようになれた充実した一年だったと思います。
入試という場で
最初は緊張しましたが、とにかく気持ちの面で負けてはいけないと思い、気合いを入れて強気で臨みました。入試会場ではすぐに描き始めるのではなく、冷静に課題文を読み、何が求められているのかを充分考えてから、エスキースをしっかりやり、制作に取り組みました。