制作にあたっては、繊細な観察と強い執着心を持ち対象物に取り組みました。仕上がった絵の欠点はもちろん、良いと言われた点も自分の中で消化し、毎回新しい視点で作品に挑戦することを課題にしていました。芸大一本に的を絞り目標が明確になってからは、余裕が出てきて自信にもつながり、順調なペースで試験本番を迎えることができました。納得のいく作品をつくるには、何よりもまず自分の絵を好きになってあげることだと思います。あとは、些細なことですが画材用具や道具を丁寧に扱い大切にするということも、良い作品をつくるためには大事だと思います。湘南美術学院は、家から近く環境が良かったので過ごしやすかったです。制作以外にも、全科合同のスポーツ大会や行事があり、のびのびとしていて、自分のリズムで学ぶことができるとても良い予備校でした。
合格するために大切なことは
私大の結果が出て、もう後がないという思いでしたが、技術とか上手さを見せようという気持ちを捨てて、描きたい絵を描こうと開き直り、東京芸術大学の一次試験に臨みました。その結果私大の受験の時とは違い、出題内容に対しての先入観をある程度取り払うことが出来、気持ちもすんなりと自分の世界に入っていけました。試験会場を回っている試験官が私の絵を見ていると「あ、良いから見ている」「この国技館の西側席では私が一番」と思っていました。開き直りと自己暗示で人から見られれば見られるほどいい方向で捉え、プラス思考でいられたのがいい結果につながったと思います。
湘南美術学院はどんな所
試験直前は疑問点について質問をし、講師の説明を聞きながら参考作品や画集を何度も見ていました。また、高校の授業の後は、早くから学院に来てマチエールの見本を作ったりするなど、教室の雰囲気は和やかな中にもお互いをライバルとして感じている緊張感が良かったです。
現役合格の鍵は、限られた時間をより効果的に使うことにあると思います。学校では、国語と英語の勉強に重点を置き、自宅ではデッサンだけと割り切って取り組みました。現役生は体育祭や文化祭などの学校行事も多く、受験と高校生活どちらも中途半端にならないよう、デッサンを描くときは、自分が納得いく出来栄えを大事にする、という意識を持ちながら、普段の生活と切り離して集中する事を心掛けました。学校行事の際には、受験のことは全く考えず行事に専念するようにしました。油絵の制作においては、講評時の良い評価も悪い評価も素直に受け入れて自分の作品と向き合うことが大切です。技術的に未熟でも、自分なりのこだわりを見出せた時、合格へ近づけるのではないかと思います。
現役時代と浪人時代の違い
現役時代は、講師にアドバイスを受けてもあまり深く考えることなく、ただ制作するという感じでした。しかし浪人の1年間は、自分はどんな作品を造りたいのか、ということを常に意識していました。講評時に講師に言われた言葉やアドバイスを自分なりに考え、実感を持って画面に向き合うことを実践し、精神的にタフになったと思います。合格するためには、日々の努力と精神的な強さが大切です。あとは自分の絵の完成イメージを常に持つと良いと思います。
友人の存在
友人から絵について質問されると自分の絵に冷静に向き合えるし、また友人の意見を聞くことで自分の絵の問題点が整理され前向きな気持ちになれました。同じ目的を持ち、お互いに刺激し合える良い仲間たちでした。