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Let it be

2010.02.16

 

受胎告知.jpg


お久しぶりです。基礎科講師の築野です。
みなさんも、進級や受験でお忙しい中かと思いますが、私自身も、今年大学院卒業。
修了制作などで手一杯だったため、あまりブログを更新できませんでした。すみません。

さて、いよいよ受験真っ只中ですね。
このブログは、受験科の方々も、読んでくださっているようです。
今回はそんな受験生の皆さん、そして新しい学年へ上がる期待と不安に打ち震える皆さんに向けて
おすすめの一曲をご紹介したいと思います。



Let it be  / Beatles



When I find myself in times of trouble
Mother Mary comes to me
Speaking words of wisdom,
"Let it be."


私が悩んでいると
マリア様が現れて
賢い言葉をおっしゃる 
「Let it be」



And in my hour of darkness
She is standing right in front of me
Speaking words of wisdom,
Let it be.


そして私が暗闇の時の中にいると
マリア様は目の前にお立ちになり
賢い言葉をおっしゃる
「Let it be」



Whisper words of wisdom:
Let it be.
「賢い言葉を呟くがよい。
『Let it be』と」



And when the broken hearted people
Living in the world agree,
There will be an answer:
Let it be.
失恋した人々が
この世を知って,異口同音に言うときの
答えが一つある
「Let it be」



For though they may be parted there is
Still a chance that they will see
There will be an answer:
Let it be.
というのも別れてしまうかもしれないが
それでもまた会うチャンスがあるから
答えが一つある
「Let it be」



There will be an answer:
Let it be.
答えが一つある
「Let it be」



And when the night is cloudy,
There is still a light that shines on me,
Shine on until tomorrow,
Let it be.


曇り空の夜でも
私にあたる一筋の光がある 
輝き続けなさい 明日まで
Let it be



I wake up to the sound of music
Mother Mary comes to me
Speaking words of wisdom,
"Let it be."
目覚めると音楽が聞こえる
マリア様が近づいて来られ
賢い言葉をおっしゃる
「Let it be」



There will be an answer:
Let it be.
答えが一つある
「Let it be」



Let it be.



Whisper words of wisdom:
Let it be.
賢い言葉を呟きなさい

 

翻訳は、ネットから拾いましたが、「Let it be」は訳をつけずに掲載しました。
直訳すれば、「あるがままにせよ」とか「そのままで」とか、「放っておきなさい」というような意味なんですが、
この「Let it be」に込められた意味は、それだけでは語りつくせないんです。
なので皆さん方も、そのまま原語で覚えられるのがいいと思います。


私の通っていた高校は、カトリックだったのですが、聖書の授業のときに先生が、この曲をとりあげて言っていました。


「よく、和訳で『なるようになるのよ』なんて訳されていますが、それだとこの曲の本当の意味はわかりません!
この『Let it be』は、マリア様が大天使ガブリエルに、受胎告知(キリストを身ごもりましたよと伝えられた)されたとき、
驚きと戸惑い、不安の中からたった一言発した言葉なのです。
だから本来は、『神の思し召しのままに』とか、そういうとっても深い意味なんです~!」
(余談ですがあのオジサマ先生のキャラの濃さは相当でした……挨拶が「シャロ~ム!(ヘブライ語)」でしたから)


ビートルズの歌詞の中でもマリア様が登場していますが、この曲は、ビートルズが解散の危機に瀕しているとき、苦しみ悩んでいたポール・マッカートニーのところへ、亡き母メアリーが現れて「あるがままを、あるがままに、すべてを受け入れるのです」と囁いたのが、作詞のインスピレーションのもとになったんだそうです。
亡くなったお母さんと、聖母マリアを意図的にだぶらせたのか否かは、わかりませんが、とにかくこの曲のメッセージは、「肩の力を抜いて、あるがままを受け入れなさい」、そんな感じがしますよね。


 


私は受験期には、ビートルズのお世話にはなりませんでしたが、大学時代に、この曲に助けられたことがあります。
大学2年くらいまで、私はフランスに留学したいな~と思っていました。そしてボザール美術学校のことを、調べたり、色々してたんですが、ちょうどその頃、父がパリに単身赴任していたので、春休みにしばらく滞在していたんです。
当時、詩人トリスタン・ツァラをものすごく好きだった私は、色々なご縁に恵まれ、パリ在住の、某雑誌編集者&ダダ研究家の方の事務所に、よく遊びに行っていました。
ある日「ボザールで勉強したいんです」とぽろっと言うと、「学長さんを知ってるよ!」と、あれよあれよという間に、編集者のすばやさで、ボザール学長に手紙を書き始め、なんと面接をセッティングしてくれてしまいました。
とはいえそんな軽い調子で手紙を書いたはずなのに、文面を見るとめちゃめちゃ丁寧、しかも「とても身分の高い、素晴らしいお方だよ」なんてアドバイス。
「イッショにはいらしてクダサラないんですか?(←カタコト)」
「まさか。君ひとりでも大丈夫だよ!」
大丈夫じゃないよ~…… 

聞けば、著名な建築家で、数々の美術館のオーナーを勤め…というものすごい人物。
どうなるかよくわからないまま、たまたま持っていた作品写真を二枚携えて、ボザール学長と面接しに行くことになりました。

 

緊張しましたよ~ その時は受験みたいなものかとも思ってましたし。
門番の人に、「ムッシュー○○と約束があって…」と言っても、はじめは信じてもらえませんでした。
電話で確認して、「え、本当に…」と 興味津々な感じで、案内された、だだっぴろいロココ調の部屋。
そこに、フランス人のなんかすごい偉いっぽい人と、二十歳そこそこの私との二人きり。カタコトのフランス語で、たしか、当時公開されていた映画『太陽』の話などをした気がします。
で、肝心の作品を見てもらうと…

 

「…trop conventionel.」と一言。

 

………その単語すら知らない……


で、苦笑いして、なあなあでお別れしたのでした。
(あとで調べたら、保守的って意味でした。)

 

学校から出ても、も~足はガクガクしているし、なんか「conventionel」の意味もわからないけど、めっちゃ顔に出ていたし、あーあーってな感じで、とにかくおなかがすいたので、近くのケバブ屋さんに入ってケバブを食べました。

 

そしたら、そこのラジオから「Let it be」が流れてきたんですね〜

ビートルズの優しい音色を聴いていると、だんだん逆立った心も落ち着いて、

少しずつ、高校の時の聖書の授業のことなんかも思い出して、

「あー、べつに、いっか~」と、すごく軽い気持ちになれたのを覚えています。

 

このフランス滞在中は、しょっちゅう、「Let it be」に出会いました。
ある日、電車に乗っていたら、二人組みの流しのギタリストが乗り込んできて、恒例の車内演奏、なにをはじめるかと思えば「Let it be」だったこともありました。
その頃は、他にもいろいろ、大きなことがあったので、思わず涙してしまい、泣きながら2ユーロくらい渡した思い出があります。
向こうからしたら、知らない東洋人がなんか泣いてるよー、って、変な人だったと思います…


 


私は現役で多摩美合格、と、大学受験だけ見ればうまくいったタイプですが、そのぶん他のところで失敗ばかりの人生を歩んできました。
その瞬間瞬間は、「あー!!!失敗した~~~~!!!!」と、思いっきり凹むのですが、
今から思い返せば、あのときうまくいかなかったからこそ出会った大切な仲間や、大切な経験、失敗したからこそもらった言葉や、教えなどが、
自分の人生をとびきり魅力的に彩ってくれているなあと思うのです。
だからまあ 受験生のみなさんも、ここまでストイックに頑張ってきたんですから、あとはもう、今ここで生きてることを楽しむくらいの気持ちで、
受験というめちゃくちゃシュールな大波を、湘南のサーファーのごとく、乗り切ってもらえればな~と思います。


 


大切なことは、今を楽しむことです。
未来のことを考えると、不安が生まれます。
過去のことを考えると、後悔が生まれます。
どっちも、考えるのをやめてみましょう。
たった今、ここにいるあなた自身を見つめてみてあげてください。
そこで出会った自分に、「Let it be」と声をかけてあげると、スッと、あなたのペースが取り戻せるはずですよ。



(築野)

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